『ファウスト』買いますた。

 気になる記事があまりにも多すぎて、立ち読み断念。
 今のところ小説は後回しにして評論と対談系の記事ばっかり読んでます。たしかに購読年齢層は高めな感じ……「小説好き」と同じかそれ以上に、講釈好きな批評家的読者層に受けそう。

 飛ばすどころか真っ先に読んだ東浩紀氏の「動物化するポストモダン・2 メタリアル・フィクションの誕生」で『Ever17』が引き合いに出されたので、思わず小躍り。しかし内容に詳しく言及しようとすると何を書いてもネタバレになってしまうのが難しいところ……。個人的にはもう少し掘り下げてほしい部分もあったので、後で本サイトの方にも紹介する予定。

 笠井潔×那須きのこ×竹内崇の「TYPE-MOONインタビュー」は、実質的には笠井氏と那須氏の対談。打てば響くやりとりの数々に、思わず目から鱗
 講談社ノベルスから『空の境界』が出る!ということで、インタビューの中でも解題めいた話が。
(以下微妙にネタバレ気味な話)
 荒耶宗蓮=裏主人公という位置付けに納得。付け加えて思うに、『月姫』も『らっきょ』も、強大な「外敵」(ネロ・カオス、荒耶)は物語中盤であっさり退場して、後半は自分自身との対決が焦点になるんですよね。ロアもシキも白純も、ある意味で主人公自身の「影」みたいな存在だし。
(ネタバレ気味な話、終了)

 それから、こんなことを書くと素人のやっかみに見えるかもしれないけれど……、『らっきょ』を商業出版するなら直してほしいのが、各章序盤における「語り手」役の不明瞭さ。章ごとに語り手がコロコロ変わるのに、しばらく読み進めないと一人称の語り手が誰なのか分からず、しかもそれは演出上の効果がない只の説明不足であるという点が、どうしても気になったので。いちいち自己紹介から始めたら興を殺ぐというんなら、章題の後にでも視点キャラの名前を括弧書きすれば済むことだし。
 ……というような話を前に同人板のスレで書いたら、途端に「那須氏は文章力がない」「いや上手い」というレベル談義になってしまって呆れた覚えが。単に問題点を指摘しただけなのにねェ……。

 ところで現時点で一番心に響いた記事が上遠野氏のディスクレビューや巻末漫画だという自分は人生負け組ですか、そうですか。