通夜の場面に「夜を通して朝まで彩紋家」と銘打つセンスって……。

 『彩紋家事件』、とりあえず獣人読みでラストまで。
 ……御大の本領を遺憾なく発揮してます。良くも悪くも。

 ていうか、鴉城とキリギリスが脳天気にサーカス観て喜んでるだけで終わっちゃったよ、上巻が!! え〜と……以前から思ってたんだけど、実は鴉城蒼司って激しく無能な人じゃないだろうか。 いくら友人の依頼とはいえ、「一連の事件が”連続殺人ではない”ことを証明してくれ」なんて怪しい依頼をされた上に「事件の謎を解くには奇術サーカスを見て欲しい」とか言われたら、依頼人を疑わざるをえないのが普通じゃないか? だいいち、白寿祝いでの紅白幕→鯨幕の早変わりなんて、容疑者云々以前に「その場で死者が出ることを最初から想定していなければ、準備のしようがない(悪質な嫌がらせ・悪戯だった場合を除くけど)」性質のトリックだし。こんな風に素人ですら気付くツッコミどころが幾つもあるのに、依頼を鵜呑みにしてノホホンと奇術談義や観光に明け暮れてていいんですか総代!?
 ……おまけツッコミ。劇中の「じゃんけん必勝法」だけど、観客が1500人もいれば1人や2人はグーを出す天邪鬼がいても不思議じゃないと思う。
 でも今回は「キリギリスが可愛い(笑)から、まぁいいか」なんて思えてしまうから恐ろしい。