『R.O.D -THE TV-』の話。(2)

 ……で、いよいよ本題。第13話のハイライト、リーさんの再裏切りと死に関して。
 まずは素直に合掌。ベタだけど、だからこそ男らしい散り際だったと思う。
 ただ……正直言うと意外だったのは、彼自身も「インストール」を良かれと思って、ねねねを被験体に選んだ?という点。ねねね自身が創作姿勢を語ることによって、リーさんが思い違いに気付いた……ということは、すなわち彼が本質的には彼女を理解していなかった、と言えてしまうわけで。「あんた、あたしの本の何を読んでたの?」という言葉は、何よりも堪えただろなぁ。
 四年以上ものあいだ編集者として(おそらくは心から)尽力していながら、ついに彼自身の手では彼女を立ち直らせることができなかった……という事実も、残念ながら「リーさんはねねねの真の理解者ではなかった」という証拠になってしまうのだろうか。だとしたら少し悲しい。……誰かを支えようと必死になっても結局は本人次第、他人が足掻いてもどうにもならないってことも、そりゃあ確かなんだけど。
 それだけに、リーさんは紙姉妹に対しても複雑な心境を抱いていたんじゃないか?とも思う。自分が頑張っても立ち直らせることができなかったねねねを、あの三人が変えたのだから。12話冒頭の「あんたらが、こいつを立ち直らせた」という台詞も、感謝半分やっかみ半分だったのでは。
 それでも……ねねねを守るために死ねた彼は、やはり幸せだったのだろう。安らかに眠れ。