激しく既出な話だろうけど。

 「オウム真理教の麻原被告に死刑判決」報道を観ていたら、どこの局かは忘れたけれど「結局、教団が暴走に至った理由は謎のまま」という話が出ていたので首を捻った。
 傍目に見ても単純な話で、「選挙に落ちたから」じゃないのかなぁ。
 「自分は凡庸な人間とは違う特別な存在だ」・或いはそうありたいと思うことや新興宗教の中でお山の大将を気取るのは(もちろん他人に迷惑をかけない限りにおいて)勝手だけど、よせばいいのに(一応は)客観的な評価の場である国政選挙に出てしまったことで、大きく歯車が狂ったのだろう。
 内輪の狭い価値観に支えられて肥大したプライドを「落選」という形で粉々に砕かれても、彼らはなお「特別な存在」であり続けようと願った。その意味で、閉鎖的なサティアンの中の王国と外部への攻撃衝動は表裏一体。
 一連のテロ事件は、自分たちが一般市民の生殺殺奪を握る立場に回って優越感を抱くことにこそ意義があり、おそらく具体的な国家転覆は二の次だったのではないかと思う。それを認めてしまうことは即ち「自分は特別な存在でも何でもない普通の人間だ」と言ってしまうことに他ならず、プライドの高い人間には耐えられないんだろうな……と。

 ……これが当たってるとも断言はできないけど。真相は本人のみぞ知る、ということか。