講談社ノベルス版「らっきょ」(空の境界・上下)買ってきますた。

 まだ読んでないけど……ここの検証記事を読む限りでは、誤字や言い回しに手直しは入っているものの、根本的に同人誌版と大差ない模様。
 「章ごとにコロコロ変わる一人称の語り手が不明瞭で、しかもそれが構成上何の意味も伴っていない」点は、せめて改善してほしかったんだけどなぁ……。ちょっと読み進めれば分かるから致命的ではないんだけれど、鮮花視点のエピソード辺りは特に気になって、すんなり没入できないし。

 ……いや、物語自体は激しく好きですよ。それだけに余計気になるというか。
 そういえば(以下ネタバレにつき反転)”トリック自体が超常的な「魔法」に依って成立している犯罪”を扱った物語も、広義の「ミステリ」と呼んでいいのか? それとも別ジャンルと認識すべきなんだろうか? *1 ネットの書評を見てると、らっきょは「ミステリ的な趣向を取り入れてはいるものの、やはり伝奇物」という解釈が多いようなので気になる……。まぁ、それ言ったら上遠野浩平の『紫骸城事件』なんかも同じだけどさ。

*1:具体的には下巻「矛盾螺旋」、マンションのアレ