ひたすら惜しい
「ウォン! 『帰宅部!』は読んだか?」
「ああ クソだ 生きてる間に読むことはないな」
(元ネタ:『READ OR DREAM』1巻)
……というわけで、だいぶ前に読み終えた『帰宅部! GO HOME 決戦は日曜日』(川嶋一洋、集英社スーパーダッシュ文庫)の紹介と感想など。
ひょんなことから言葉のアヤで「帰宅部」に入部することになってしまった少年が、美少女だらけの帰宅部の面々と共に繰り広げるドタバタアクションコメディー。
着想はいい。タイトルを見た瞬間に買おうと決めたほど、今までありそうでなかった「帰宅部という部活」のインパクトは充分。
だけど、激しく惜しいとしか言いようがない一品。キャラの造形は必要以上に余分な「特徴・特技・特色」のツギハギだらけで作り物感が否めなくて不自然だし(たとえば紅美の正体。それなりに伏線が張ってあって理解はできるけど、あんな活動をしてたら「脱げ」ないか!?)、これでもかといわんばかりに繰り出される萌え描写があざとすぎて萌えらんないし、敵は薄っぺらい割に妙に作者に贔屓されてるし(正直、あいつらがシリーズ通して出てくるような重要キャラだとしたら底が浅すぎると思う)、主人公の生い立ちがいわくありげなのはいいけど台詞だけで説明しちゃってるせいで上滑りしてるし。
……とはいうものの、シリーズが続けば面白くなりそうな素材ではあるので今後に期待。ちなみに最萌キャラが敵方の秘書の桑原さんだと思うのは恐らく自分だけじゃない筈。